講師伝

カウンセリングで苦労したこと2

 カウンセリングで苦労したことは、他にもある。
 真実を言ってくれない、という相手だ。
 初対面の時に、相手になんだこいつ、と思われてしまうとだいたい本当のことを言ってくれなくなる。
 H.Nも人間であるため、初対面の相手の恰好がどこか異様だったりすると、怪訝な顔を隠せない。

 だが、それよりもさらに厄介なのは、そもそも喋ってくれない、という場合だ。
 カウンセリングの時に何も言ってくれない相手。
 基本的には根気よく訊きだすしかないと、H.Nは腹を括っている。
 しかし、面談を続けているうちにわかったことがある。
 沈黙したいから沈黙している、そんな場合もあるということだ。
 つまり、沈黙も一つの発言なのだと気付いた。
 ただ、終わって帰られるときに満足げな顔をしていない場合は、巧く訊き出せてやれなかったことを悔いることになるのだが。

 その苦労は、H.Nに正直に話してくれなければ何も始まらない、ということを痛感させてくれた。
 大前提として、まずお互い思っていることを正直に言い合わなければ、議論にすらならないのだから。
 だからこそ、H.Nは正直に話せと語るのだ。

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