講師伝
H.Nの強みの一つ、後編
さらにこの経験の中で、H.Nが学んだことがある。
それは、企業が求める人材というのが、常に変動するということだ。
というのも、H.Nが店長になる前も、当然別の店長がいた(以下旧店長)。
引き継ぎの際に、旧店長は丁寧にも誰が優秀で誰が駄目かを告げていってくれたのだが。
H.Nが店長になってから五ヶ月後に、H.Nの元に残っていたのは旧店長が優秀だと言った方ではなかった。
旧店長が、駄目だと言っていた方だった。
どうやら旧店長はワンマンタイプだったらしく、自分に意見してくるような社員を駄目だとみなしていた。
万年赤字だったのは、旧店長が「店長の言うことを素直に聞く者」を優秀と定義し、「店長に意見を言う者」を駄目と定義して、新しいことを試みなかったからだとH.Nは分析している。
つまり、必要な人材は常に変化するということだ。
サラリーマンは、常にその変化についていかなければならない。
楽に生きようと思ったら、その変化を先取りしなければならない。
さらに楽に生きようと思ったら……その変化を、自分で創らなければならないのだ。
それを楽しんでやろうとしたら、論理性も、人柄も必要になってくる。
仕事が辛いと嘆くサラリーマンは、きっと自分を、あるいは周りを変えるということが出来ていないのだ。
その気付きもまた、後のH.Nのカウンセリングにも影響を与えることになる。