就活ノベル
就活をするにあたって理解しておくこと
「わたしが君たち二人の担当、熱血先生だ! よろしくな!」 | |
「よろしくお願いします」 | |
「よろしくお願いしまーす♪」 | |
「まず、君たちに知っておいてほしいことがある! それは」 | |
「わかりました!」 | |
「フライングすんな!?」 | |
「ハッハッハ、積極的でいいな! じゃあ答え合わせといこうか! まず知っておいてほしいこととは、就活とは何をすることか、ということだ! 就活の本質と言い換えてもいい」 | |
「……………」 | |
(しずか、笑ってごまかしてるな……) | |
「中学、高校、そして大学と、これまではずっと、君たちは学ぶための進路を歩んできたわけだが。次の目標である、企業はそういうところではないんだ。まずはそこを理解してほしい」 | |
「わかりました!」 | |
「だからフライングするな」 | |
「企業とは、利益を出すために行動する組織だからな。その一員になることが就活なのだから、企業に何をしてもらえるかではなく、その企業に対して何が出来るかということを考えなければならないんだ!」 | |
「?」 | |
「……なるほど」 | |
「いきる君、良い表情をしているな! 理解できた、という顔だ!」 | |
「え、いきる、わかったの? えっと……え?」 | |
「一方こっちはまだ把握しきれていない、という感じか」 | |
「そ、そんなことないでしよ?」 | |
「噛みながら言っても説得力ないよ」 | |
「……うぅ」 | |
「ハッハッハ、何、教えてやるさ! 就活とは自分を企業に売り込むことだ、という話は聞いたことがあるだろう?」 | |
「はい」 | |
「……………」 | |
(またしずかが笑ってごまかしている……) | |
「それで企業に買ってもらおうと思ったら、自分にその価値があることを企業に認めさせなければならない。だからアピールするんだ、自分が企業に、何をもたらすことが出来るのかを!」 | |
「えー、今どこかに入っても、あたし何も出来ないと思うんですけど」 | |
「ああ、確かにそうだ。企業もそれは分かっている。企業が見ているのは、可能性なんだ。君たちが何を志しているか、君たちに何が出来るかを!」 | |
「そっか……わかりました!」 | |
「本当か?」 | |
「ばっちりに決まってるでしょ! もう、何も怖くないわ!」 | |
「ハッハッハ、なら良かった! よし、今日はこれまでだ!」 | |
「ありがとうございましたー♪」 | |
「大丈夫かなぁ……ありがとうございました」 |
まとめ
就職活動の際に、まず頭に入れておかなければならないことは以下の通り。
- 企業は何かを教えてくれるような学校では無い。企業から何を得られるかよりも、企業に対して何が出来るかを考えて就職活動をするべきである。
- もっと言えば、その企業に将来、自分がどんな影響を与えられるかを、具体的に考えて伝えることこそが正しい自己アピールと言える。