| 「熱血先生!」 |
| 「おお、しずかさんか。嬉しそうだな」 |
| 「ええ! 聞いて下さいよ、お陰さまでES、通過したんです!」 |
| 「僕も通りましたよ」 |
| 「おお、やったな! 前回の指導が役に立ったようでなによりだ!」 |
| 「はい! で、来週早速面接があるんですよ!」 |
| 「おお、早いな! 準備は出来ているか?」 |
| 「はい、出来てません!」 |
| 「………そういうわけです」 |
| 「なるほど……」 |
| 「じゃあ面接について話そうか……いや、その前に。2人とも、面接は受けたことがあるか?」 |
| 「えっと、ここに来る前に一度、大学で模擬面接を受けました」 |
| 「僕もです」 |
| 「そうか。緊張したか?」 |
| 「はい! すっごく緊張して……」 |
| 「気付くと滅茶苦茶で意味不明になっちゃったんですよ!」 |
| 「隣で聞いていたんですが、支離滅裂すぎて思わず耳を塞ぎたくなるほどでした……」 |
| 「……そんなに酷かったのか?」 |
| 「詳しく聞かないでくださいッ!」 |
| 「す、すまん。触れてはならない過去だったんだな……」 |
| 「えぇ……そうなんです。先生、だから何事もなかったかのように続きをお願いします」 |
| 「わ、わかった。じゃあいきる君に聞こうか。緊張したか?」 |
| 「いえ、僕はあんまり……ただ、無難かなと思って理想的なことばっかり言ってたら、深く追求されて答えられなくなった、ってことはありました」 |
| 「なるほど……どっちも面接でやりがちな失敗だな」 |
| 「そうなんですか?」 |
| 「ああ! まずはいきる君の方から行こうか。面接では基本、正直に語るべきだ」 |
| 「正直に、ですか……」 |
| 「そうだ! 自分がその会社で何がしたいか、何故そう考えたのか! それを、思うままに語ればいい!」 |
| 「何がしたいか、ですか」 |
| 「思うままに、語る……」 |
| 「ああ、面接で緊張するのだって当たり前だ。下手なことを言っても取り繕える、なんて思わない方がいい。むしろ始めから、ちょっと緊張していますと伝えてしまうのも手かもしれないな。それで場の雰囲気が和らぐこともある」 |
| 「そっかぁ!」 |
| 「いけそうか?」 |
| 「「はい!」」 |
| 「よし! 良い結果を期待しているぞ!」 |