月1就活お役立ち情報レポート
8月分レポート
「 To be honest (1) 」
作成者:オフィスNAKAMURA代表 中村弘成
≪社是(しゃぜ)や経営理念(経営信条など)について≫
上記の内容に関連して
・「わが社の社是や経営理念について共感できるところはどこですか?
入社後、それをどのように実現していきたいですか。」
・「わが社の理念を実現するために、入社後、どのように行動していきたいと考えますか。具体的にご記入ください。」
というような類の質問がよく見受けられます。
≪解説≫
社是や経営理念とは何か?を理解しておく必要があります。
社是は、その会社のあり方や存在領域を簡単に示しています。
例えば、私が以前勤めていたCSKという会社では「サービスこそ我が社の命なり」という社是がありました。
コンピュータシステム開発会社だけれども、開発はサービスだ、と捉えて仕事をしなさい、という創業社長の考え方を示しているのです。
我々の会社はサービス業であり、ものづくりの会社ではない、と言っているのです。サービス業と製造業、どうでしょうか?随分行動の仕方が変わってくると思いませんか?
経営理念はCSKの場合「①変化に挑む経営、②社会的使命を担う経営、③個人と会社の目標を一致させる経営」の3つです。このように経営理念はどのような経営をするか?ということを端的に示しているのです。つまり企業の進む方向性を示しているのです。
社是や経営理念は上記のような意味があるのですが、大切なことは「問題にぶつかった時や迷った時など、判断に困った時に戻る"場所"」というとても重要な使い方があるのです。行動指針は経営理念をさらに詳しく書いたものですから、これも同様です。
つまり質問の意図は「社是や経営理念を理解し体現」してもらわなくては困るので、「どのように実現」「具体的にご記入」というように具体的な行動の記述を求めているのです。
≪ポイント≫
例えば「和は力なり、共に信じて結束を」に共感したとしましょう。
この時注意しなければならないことは、どこにも難しい言葉は使われていないので安易に自分の定義で書きだしてしまわないことです。しっかり「和とはなにか?」「信じるとは何か?」「結束とは何か?」を調べなおしてから、一つずつ「自分ならどう言動して和を実現するのか」というように考え記述するのです。「和する」とは仲良くすることではありません。「信じる=信頼」とも違います。
学生に多い回答例は、しっかり調べていないので、上記の例の場合にも本論はほんの2~3行で終わってしまいます。従って後はこじつけたように、「そのためには挑戦心が重要」「そのためには信頼が要」というように他の解釈をもってきて、質問からずれた内容をたっぷり書いてしまうのです。
企業や従業員にとって社是や経営理念はとても重要なことです。その重要性を理解したうえで「素直に正確に具体的に」書くことを忘れないでください。
≪追加ポイント≫
志望動機や理由で、「貴社の経営理念に共感した」とか書く人が多いですが、なぜ共感したのかを具体的に書く事をお忘れなく!具体的理由のないものは企業研究や理解していない事を自ら露呈しているようなものです。
≪おまけ≫
今回の解説内容は、社会人でもよく知らないことかもしれません。意識していないと言った方が良いかもしれません。また間違った解釈をしている人も多いです。
しかし就職活動中の皆さんは、社会人と積極的に会話し、現実はどうなのか自分自身で確かめながら学び、成長していきましょう!
以上です。