熱血!気味?キャリコン父さん ~~~インターンシップ編~~~

【第7話】『インターンシップ8日目の夜』

登場人物 キャリコン父さん:キャリアコンサルタントとして若者~中高年を支援している宏の父。
         キャリ父と表記。
宏:キャリコン父さんの長男。現在、大学3年生。

第6話から続く・・・

キャリ父 で、どうだった?常務との話し。
それが・・・ダメだった。失敗した。
キャリ父 えっ?・・・何が?
それがさあ・・・。質問を4個ほど考えて面談に望んだけどね・・・常務がピンチ関係の話のあと、会社の特徴を立板に水のごとく話し出して、質問ができなかったんだよ。・・・僕が考えていた質問ができなかったし、割り込ます言葉すら出てこなかったんだよね。・・・それでまたやってしまった、と思って、落ち込んじゃって・・・連絡が遅くなったんだ。
キャリ父 うっ?・・いまなに言った?!
えっ?・・・考えてた質問ができなくて・・・予定通りできなくて・・・落ち込んでた・・・。
キャリ父 なにー?・・・・・(゜_゜)目が点だぜー・・宏!・・。
???
キャリ父 予定通りできなかったって・・・でもさあ・・・一番聞きたかったことは・・・聞けたんだろ?
それは聞けた。
キャリ父 だったら、いいんじゃないの?良かったじゃないか。
でも・・・また、なんていうか、ほら、僕は次々と話せるほうじゃないから・・・相手のペースのままで・・・結局はいつものように、自分の言いたいことは言えずに・・・終わってしまう・・・。
キャリ父 なるほど・・・宏が用意してた他の質問ができなくて・・・。
そうなんだよ、またやってしまった・・・せっかく考えたのに・・・だよね。
キャリ父 ニュキニョキ!ニュキニョキっだよ、宏!
えっ?
キャリ父 宏は、よく言ってるよね、計画どおりいかない、とか、時間が足りないとか、言えなかった、とかね。
・・・。
キャリ父 宏は昔から、しっかりとやりたいという“気持ち”をもってるから、それがニョキニョキってさ、出てきちゃったんだよ。
でも、それって、しっかりやりたいという気持ちが“だめ”ってこと?
キャリ父 いやいや、そうじゃないよ、しっかりやりたいという気持ちは大切だし、いいことだよ。そうじゃないと仕事を任せることできないよね。
そうだよね。
キャリ父 でもさ、今回のことは“本末転倒”じゃないかな?
本末転倒?
キャリ父 そう、根本的なことと根本的なこと以外のことを取り違えてしまうことなんだけどね、本末転倒って。
根本的なこととそれ以外・・・。
キャリ父 うん、今回の面談の根本的なことって何?
うーん・・・。
キャリ父 根本的っていうのは、非常に大切なこと、っていうことかな、言い方を変えると。
今回の面談で、非常に大切なこと、だよね・・・そりゃ、ピンチをチャンスにどう変えたのか、を知りたいということを僕が言い出して、今回の面談が実現したんだから、ピンチをチャンスにの話を常務から聞くことだよね。
キャリ父 そうだよね、それが根本的なことっていうことだよね。・・・で、その話は聞けたのかな?
それは、さっきも言ったように、聞けたよ。
キャリ父 だったら、根本的なことはできたってことだよね。言い換えると“目的”だよね、ピンチをチャンスに、の話は聞けて自分なりに理解できたってことで、目的は達成できたってことだよね。
確かに、そう。
キャリ父 だったら、それで大成功!じゃないか。
それはそうだけど、用意した質問ができなかったんだよ。それってせっかくの機会にもったいないよね、しっかり質問しとかないと。
キャリ父 そう思う“気持ち”は良いんだけど、なぜ質問を考えたんだっけ?
え?だって父さんが、この際いろいろ根掘り葉掘り聞いたほうが良いって言ったじゃないか。
キャリ父 言ったよ、確かに言った。・・・でもさ、それは時間が余れば、どうするのか?って宏に聞いたら、宏は“それで終わる”って言うから、そりゃもったいない、っていうことで、アドバイスしたんだよ、そうだっただろ?
確かに。
キャリ父 で、今回は時間は余った?
ぜーんぜん、余らなかった。常務は話し続けてたよ。
キャリ父 だったら、質問する必要はなかった、ってことだよね。
そりゃそうだけどなあ・・・。
キャリ父 それにさ、常務が話続けたってことはすごいことなんだよ、わかる?
えっ、なんで?
キャリ父 だってさ、宏も言ってたように、忙しい人だよね、常務といえば。その常務が時間いっぱい宏に情報を提供し続けてくれたんだよ。父さんは、宏の聞く態度が良かったから、常務はとても気持ち良かったんだと思うね。本当にすばらしいことだ。
単に話好きだったのかも。
キャリ父 いやいや、父さんも話好きだけど、聞く気のない人はすぐにわかるし、話をしたくなくなる人もいるんだよ。つまり、宏は“聞き上手”ってことだ。すばらしい!
あっ、でもね、1つだけ最後に質問できて、それは答えてもらった。
キャリ父 なんだ、やってんじゃん。
うん、ピンチ以外のことでは一番聞きたかったことなんだけどね。
キャリ父 すばらしいじゃん。グレートだ。
うん、あれは聞けてよかったよ。
キャリ父 いやーよかったよかった。すばらしい!・・・ところで他の質問ってどんなことだったんだい?
えーと、社員のモチベーションアップ手法、○○基板生産について、品質部の仕事の矛盾についての3つかな。
キャリ父 その質問についてだけど、いま落ち着いて常務の“立板に水”の話を振り返ってみたらどう?
どうって?
キャリ父 常務の話の中に3つの質問の“答えらしきもの”は出てこなかったかな?
うーん・・・ああ、そういえば推測できるようなことは結構あったかな。例えば、常務は“技術力とは求められるものに応じる力だ”って言ってたから、将来の○○基板生産についてもリサーチの結果“応じる必要がある”と判断した場合にはやるってことと考えていいかもね。
キャリ父 そう、それだ!すばらしいじゃないか!エクセレントだ。感動しちゃったよ、ったく。・・・そうやって直接なんでもかんでも質問しなくても関連付けることもできるできるんだから・・・宏、成長したな!いや・・・すばらしい、うれしいなあ、父さん。
うーん、なんだか、なんで落ち込んでたのか、わからなくなってきた。悩んで、父さんとの話の時間を遅らせてた“時間”ってなんだったんだろう?なんか、めちゃくちゃもったいない時間だったのかもしれないね。
キャリ父 そうそう、そういうことだね。いい気づきだ。“本末転倒”していなければ“真逆”のことに感じていただろうね。
なんか、怖いぐらいだね。
キャリ父 うーん、まったくだね。・・・これから、不安な気持ちや落ち込みそうな気持になったときは“ニョキニョキ”を思い出して、本末転倒していないかチェックしてもらいたいな。
うん、そうするよ。
キャリ父 今回の面談は、宏にとっても大成功だし、常務はきっと印象が良かっただろうから、大学生としての宏としても大成功だったね。常務もきっと喜んでいるだろう。
あーあ、ホント何だったんだろう、あの憂鬱な時間は。ホントもったいないし、ばかばかしい時間だったよね。
キャリ父 ばかばかしい、か。そこまで思ってるんだったら、もう少し考えてみようか。・・・。なぜ落ち込んでいたのか?だよね。
また、やっちゃったってということで、自分が情けないって感じたんだ。
キャリ父 なるほどね・・・。でも、情けないって思うのはいいけれど、だからと言って、父さんと話す時間を遅らせるのは、どうかと思うけどね。
なんか話す気にならないというか、もう少し気持を落ち着かせてからとか考えたんだと思う。
キャリ父 なるほど。で、気持を落ち着かせて、話す気になったんだよね?
そう。
キャリ父 何を話す気になった?
ありのまま?かな。
キャリ父 うーん、すばらしいじゃないか。時間はかかったけど、事実を話して解決を図ろうとした、実にすばらしい、と思うね。
なんで?
キャリ父 それはできるビジネスマンほど事実に基づいて話を進めるからだよ。宏も隠そうとしなかったから、今は、ばかばかしい時間だったといえるくらい解決ができたってことだろ?
そう。
キャリ父 事実、特に良くない情報だけどさ、さっさと話したほうが良いんだよね。
ふーん。
キャリ父 できないビジネスマンほど、自分で抱え込むんだ、良くない情報を。できるビジネスマンほど、早く話す。その方が早く対処できるからね。それに今回のように誤解かもしれないしね。覚えておいてほしいな。
うん。
キャリ父 よーし、それじゃ明日も早いから今日はこれくらいにしておこう。
気持ちよく寝られるよ。
キャリ父 ハハハ、そりゃよかった。それじゃお休み。
うん、お休み。

・・・・・・・
インターンシップ9日目の夜。

キャリ父 明日で最後だけど、どうだい?
今日は、最終日に発表する予定のプレゼン資料のレビューとフィードバックをしてもらったよ。
キャリ父 なるほど。それでどうだった?
うーん、そうだね、“インターンシップに来る前と来た後だとどう変わったのか?”を書くように言われた。
キャリ父 なにー?・・・・・(゜_゜)目が点だぜー・・宏!・・。
???

いったいキャリコン父さんはなぜ(゜_゜)目が点になってしまったのか?
第8話に続く・・・・・

 

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