熱血!気味?キャリコン父さん ~~~インターンシップ編~~~
【第3話】『インターンシップ3日目の夜』
登場人物 | キャリコン父さん:キャリアコンサルタントとして若者~中高年を支援している宏の父。 キャリ父と表記。 宏:キャリコン父さんの長男。現在、大学3年生。 |
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第2話から続く・・・
宏 | もちろん、それだけじゃないけど、なんだか可笑しくなってきたよ。・・品質部では顧客からのクレーム対応もしてるんだけど、うーん・・何か一定のことの繰り返しが多くて、例えば品質チェックの機械の操作だとか・・これが一生続くのかな、と思うと”ぞっと”するな・・あーやっぱり開発部門にインターンシップに行きたかったなあーー。 |
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キャリ父 | うっ?・・いまなに言った?! |
宏 | えっ?”ぞっと”するって、それと、やっぱり開発部門にインターンシップに行きたかったなあって言ったけど・・。 |
キャリ父 | なにー?(゜_゜)目が点だぜー・・宏!・・あのさーーー。 |
宏 | ??? |
キャリ父 | あのさー昨日言ったこと・・もう忘れてるのか? |
宏 | えっ? |
キャリ父 | 昨日は何について話が盛り上がったんだったけ? |
宏 | えーー、ヒマな時間の過ごし方?だよね。・・確か、それでその過ごし方でできる人材かそうでないかを判断されるっていうことだったような・・。 |
キャリ父 | そうそう、それだよ。覚えてるじゃないかちゃんと。 |
宏 | そりゃ、昨日のことだからね。・・で? |
キャリ父 | ・・で?、じゃないよ・・あのさー、昨日話し合ったことで仕事に対しての基本的な考え方ってなんだったけ? |
宏 | ヒマな時に・・どう過ごすか・・・だから・・えー・・あっそうそう”仕事は与えられるものじゃなく、創るもの”ということじゃなかったっけ? |
キャリ父 | ピンポーン、正解、すばらしい!グレートだ。でっ? |
宏 | でっ?って、何か続きがあったっけ? |
キャリ父 | おいおい・・大切なことだぜ。・・”仕事は与えられるものじゃなく、創るもの”って学んだんだよね・・学んだら・・? |
宏 | ・・学んだら・・使う? |
キャリ父 | そうそう、それだよ!それ。使ってみなくっちゃ。 |
宏 | っていうか、ヒマじゃないし。 |
キャリ父 | oh no!!!だな、こりゃ。・・うん?ちょっと待てよ?・・そうだな、宏は仕事をしたことないから、知らないよね、仕事は基本”繰り返し”だってこと。 |
宏 | 繰り返し・・か。 |
キャリ父 | そうなんだよ。宏は、小学校から今まで、自分の知らないことを次々といっぱい学んできたから、繰り返しの経験がないように思っているかもしれないけど、考えてみれば、お箸の使い方や日本語力も繰り返し繰り返し使ってきたから上達してきたと思わないか? |
宏 | そうだね。 |
キャリ父 | 仕事をする、そしてその対価としてお金をいただく。そのためにはお金をいただけるたけのしっかりとした仕事をしなけりゃだめだ。父さんは仕事をする人はお金をもらうのだから、みんなプロフェッショナルとしての意識をもって仕事をすべきだと思うし、自分を常に磨くべきだと思うんだよね。もちろんサラリーマンもだよ。・・例えば、野球選手をイメージするとわかりやすい。野球選手は守備のポジションが決められたら、ほとんど引退までそのポジションが”仕事場”となるよね。長い人だと20年以上そのポジションだ。でもその”仕事場”を他人に奪われたくなかったら、その仕事で誰よりも良い結果を残し続ける必要がある。・・どうすれば奪われないか?・・自分のところにボールが飛んでくれば、常に最適な処理をすること・・だろうね・・そのためには、繰り返し繰り返し飛んできたボールに対する処理の練習をするしかない・・そう思わないか? |
宏 | そうだと思う。特にスポーツは瞬間の判断力が大切だから理屈じゃないよね、体で覚えておかないとね。 |
キャリ父 | そうそう、でもね、我々の仕事も同じでね、いちいちマニュアル見ながらやってたら効率が悪くなる。だから繰り返し繰り返しが必要になってくる。違うかな? |
宏 | 必要になってくるね。 |
キャリ父 | そうなんだよ。だけどさ、繰り返しが大切だと言われても・・嫌になってくることもあるよね。・・逃げ出したくなるかもしれないね。・・宏は、続けられるのかどうか不安に思って”ぞっと”するって言ったんじゃないのかな? |
宏 | うーん、それもあるけど、面白くなくなるんじゃないかな?と思ったんだ。面白くなかったら、しんどくなって・・仕事にも行きたくなくなるんじゃないかと・・。 |
キャリ父 | そうか、なるほど・・確かにそうだよね。しかし、宏、いいポイントついてるね、いいよー。」 宏「えっなにが? |
宏 | えっなにが? |
キャリ父 | 面白くなくなるとしんどくなる、やがて仕事にも・・ってとこだよ。仕事では繰り返しが大切なことはわかったとは思うけど、次の問題はどうやって自分の仕事を面白くするかっていうことだと思うんだ。・・ここで”仕事は与えられるものじゃなく、創るもの”と学んだことを”使って”もらいたいんだ。・・ヒマな時は、面白くないよね。 |
宏 | そうだね、しんどくもある・・。 |
キャリ父 | だから宏が言った”ぞっと”するという状況とヒマな時間は、面白くない、という点で同じだと思うんだよね。 |
宏 | ・・なるほど・・だから一定の仕事を繰り返すとしても、その仕事に別の自分で楽しそうな仕事を創って、合わせてしまえばいいということ? |
キャリ父 | そうそう、そういうこと。・・よく言われるのは”工夫や改善”をしてよりいい結果を生むようにしていくことかな。プロの野球選手の最も大切なことはいかに”お客さんに楽しんでもらうか”だから、そのためには繰り返しだけによるスキルアップだけでなくて、アマチュアにはできない、プロらしい例えば華やかさや美しさが伴ったプレーを生み出す、これと似ているかな。 |
宏 | そうかあ・・。 |
キャリ父 | あるいは、自分の仕事を根本から見直して改革してしまうこともあるよね。 |
宏 | 改革? |
キャリ父 | そう。例えば、自分の仕事を組織全体から見直して、より効率的にあるいはよりコストをダウンできるように考えてしまうんだ。極端な話、自分の仕事を無くしてしまうんだ。 |
宏 | えっ、それじゃ仕事が無くなってしまって・・。 |
キャリ父 | 首、か?・・ハハハ・・それはないね・・組織の目的のために自分の仕事を無くしてしまうぐらいのことをする人材だよ・・会社がほっておくわけないじゃないか。・・昔の話だけど、父さんが20代後半の時だけど、上司だった人に、この人はいま大学の教授してるけどね、その人に”あなたの仕事もさせてくれ”と頼んだんだ。父さんは資格試験に早く通るためにはその人がやっている実務を経験しておくことが大切だということをわかっていたからね。そうするとなんとその上司は”どうぞ”って言ってドカッて父さんの机に持ってきたんだよ、大量の書類をね。 |
宏 | えっ?それじゃその上司の人は何するわけ仕事は? |
キャリ父 | そうなんだよ。すると上司は”今の仕事飽きてたところだからちょうど良かった”って言って、さっさと前から考えてた自分のやりたい仕事を社内でやりだしちゃったんだよ。あの当時の父さんには衝撃的だったよ・・うーん、たくさんあの人からは教えてもらったし、学ばせてもらったよ。本当に感謝してるんだよ、父さんは。 |
宏 | ふーん、そうやって上司の人も父さんも自分の仕事を面白く変えてしまったんだね・・。 |
キャリ父 | そういうことだね。 |
宏 | ということは、開発部門にインターンシップに行きたかった、ということにも”仕事は与えられるものじゃなく、創るもの”を使わない手はないよね。 |
キャリ父 | そう!すばらしい!そういうこっちゃ。っで、どう使う? |
宏 | うーん、改革っていうわけにはいかないから・・工夫や改善ということかあ・・。 |
キャリ父 | おっ、いいねえ。 |
宏 | 改善たって、何を改善したらいいか、業務をよく知らないんだから・・無理だしなあ・・。 |
キャリ父 | いい線いってるぞ。それで? |
宏 | 残るは・・工夫かあ・・自分の仕事を面白くするためには・・あつ、こういうことか。 |
キャリ父 | おー気づいたか、ついに。やるね。 |
宏 | 今は品質部の仕事をしていて、自分は開発の仕事を体験してみたいと思っている・・この2つを合わせてしまえばいいいんじゃない? |
キャリ父 | おーいいねえー。 |
宏 | 品質部で開発の仕事体験をさせてもらえるわけないから・・まずは・・品質部と開発部門の関係を知るべきだね。 |
キャリ父 | いやーすばらしい!非常にいいね。・・おそらく品質部と開発部門が協力し合って不良製品をできるだけ少なくしていく方策を考えて実行しているはずだからね。 |
宏 | 顧客からのクレームを品質部で分析して、原因や対策を考えてそれを開発部門にフィードバックするのも品質部の仕事だと、そういえば担当の方が話していたのを今思い出したよ。 |
キャリ父 | うん、なるほど。ならば、今いる品質部でこれから教えてもらうことを宏が開発部門を意識して絡めて”質問や疑問”を創っていけば、品質部の立場から見た開発のあるべき姿を学べる絶好の機会になるってことだね。これは開発部門にインターンシップに行ってたら学ぶことができないことだし、社会人になって開発の仕事をするとき宏の仕事の質を高める知識として大いにたく立つことになるかもしれないね。 |
宏 | すごいことだなあ。・・例えば、開発部門にクレームの原因をどのように伝えたり、どのように解決のために交渉していくのか、ということを意識して観察したり、質問したりするってことだね? |
キャリ父 | そうそう、いいねえー! |
宏 | とは言っても実際に使えるかどうか不安だけど、とにかく挑戦してみようかな。 |
キャリ父 | うん、それでいいんだ。もしいろいろなことがあって実行に移せなくても宏は今回の父さんとの話し合いの中で確実に成長したと思わないか? |
宏 | 思うね。 |
キャリ父 | だろ、それでいいんだ。質問はできなくても観察はできるんだから、今以上に成長できることは間違いない。・・宏の”ぞっと”するという言葉や開発部門希望の話という不安や不平不満的な話から、昨日学んだことの使い方の応用を、今日、宏は学んだんだ。これも宏が素直に自分の気持ちを言ってくれたからだよね・・だからここまで話が発展した。・・いやーいいよねコミュニケーションってのは。本当にすばらしい。・・不安や不平不満、そういうような気持ち、これはできるだけ自分の心だけで抱え込まないこと、これからの仕事人生でもとても大切なことだから、絶対に覚えておいてほしいいな。 |
宏 | わかった。 |
キャリ父 | どうそっちの様子は? |
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宏 | うーん、昨日に引き続き実務を通していろいろ教えてもらってる。 |
キャリ父 | そうか。あっ、そうだ、日報って書いてる? |
宏 | うん。書いてる。 |
キャリ父 | そこに何書いてる? |
宏 | 何って、教えてもらったことや体験したこと・・それと体験から学んだことをちょこっと。 |
キャリ父 | 感想やその時の気分や気持ちは? |
宏 | それは書いてないなあー。 |
キャリ父 | うっ?・・いまなに言った?! |
宏 | えっ?”書いてない”って、言ったけど・・。 |
キャリ父 | なにー?・・・・・(゜_゜)目が点だぜー・・宏!・・。 |
いったいキャリコン父さんはなぜ(゜_゜)目が点になってしまったのか?
第4話に続く・・・・・
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