熱血!気味?キャリコン父さん ~~~インターンシップ編~~~
【第4話】『インターンシップ4日目の夜』
登場人物 | キャリコン父さん:キャリアコンサルタントとして若者~中高年を支援している宏の父。 キャリ父と表記。 宏:キャリコン父さんの長男。現在、大学3年生。 |
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第3話から続く・・・
キャリ父 | そうか。あっ、そうだ、日報って書いてる? |
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宏 | うん。書いてる。 |
キャリ父 | そこに何書いてる? |
宏 | 何って、教えてもらったことや体験したこと・・それと体験から学んだことをちょこっと。 |
キャリ父 | 感想やその時の気分や気持ちは? |
宏 | それは書いてないなあー。 |
キャリ父 | うっ?・・いまなに言った?! |
宏 | えっ?”書いてない”って、言ったけど・・ |
キャリ父 | なにー?・・・・・(゜_゜)目が点だぜー・・宏!・・。 |
宏 | ??? |
キャリ父 | あのさーなんで書いてないわけ? |
宏 | ・・と言われてもなあ・・。 |
キャリ父 | 体験して、どう宏は感じたのか?思ったのか?だよ。 |
宏 | ・・そう言われてもなあ・・まあ、あまりこういう日報とか業務日誌にはふさわしくないかなあ、と思ったし、・・感想がないことも多いかなあ・・。 |
キャリ父 | ふさわしくない?・・うーんそうかあ・・。 |
宏 | 大学のレポートには書かないしね。 |
キャリ父 | そうかあ・・確かにそうかもしれないな。・・教えてもらったことや体験したこと、こういうのを感情と区別して”事柄”って言うんだけど、こればかりだと、どうだろう?確かにどのような知識をその日は学ぶことができた、ということの確認はできるだろうけど・・。 |
宏 | 体験からの学びは書いてるよ、少しはね。 |
キャリ父 | うん、それはいいんだけど・・例えば、昨日言ってた鉛筆を使っての強度検査なんだけど、この体験からの学びはなんて書いた? |
宏 | うーん、そのことだけについてではないけど、・・検査というのは、求めれる品質や納期に応じてコストパフォーマンスを考えた、デジタルな方法とアナログな方法とのベストな組み合わせ、つまりバランスが大切であることを学んだ、というようなことを書いたと思う。 |
キャリ父 | なるほど。検査もコストだからね。なかなか良いことを学んだよね。・・で、この学びの前か、文章中に少し感想だよね、これを入れるとどうなるか。・・昨日はアナログすぎて”びっくり”した、って言ってたよね。だから・・”ハイテク製品の検査にこのような簡単でアナログなやり方をするなんて考えてもいなかったのでとてもびっくりした。デジタル機器で高精度な検査をイメージしていたので、大丈夫なのかという不安すら抱いていた”という文章がさっきの”学びの文章”の前にあったとしたら・・日報を読んでコメントする担当の方はどう思うだろうか? |
宏 | 感想がある場合とない場合の違いだよね。 |
キャリ父 | そう。宏がコメントを入れる立場に立って考えたらわかりやすいんじゃないかな。 |
宏 | 感想がない場合だと・・”そういうこと。しっかり覚えておいてください。”という感じかな。 |
キャリ父 | なるほど。宏だとそういう感じかもね。父さんは仕事経験があるから、”企業は利益を出すために活動しているのでコストには非常に敏感です。だから・・”というような応用領域についても少しぐらいはコメントを入れるだろうね。・・それで感想がある場合は? |
宏 | うーん、やっぱり”考えてもいなかった、びっくりした、不安すら抱いた”という言葉に反応すると思う。特に”不安すら抱いた”はこのままインターンシップを終えられたら困るから、学びでは理解したようなことを書いているけど、本当に理解したかどうか確かめたいと思うね。実際、僕自身、一応は理解したという程度だからね。 |
キャリ父 | うん、いいところに気づいたね、すばらしい!そこなんだよポイントは。感情が入っていると、学ぶ以前、体験以前の状況がよくわかるよね。担当者にとっては、体験前と体験後のギャップがより鮮明にわかるから、その学生の成長度合いがよくわかるよね。そのこと自体に担当者はすごいやりがいを感じると思うな。それに感情の言葉があれば、さっきの例で言うと”考えてもいなかった”は、宏がどのような常識をもっているレベルなのか判断できるし、”不安すら抱いた”は良い意味で”びっくりした”のではないことを教えてくれているから、宏の言ったように担当者は、コメントに追加情報や知識を書いてくれる可能性が高くなると思うね。別に時間をとってくれるかもしれない。 |
宏 | でも、体験中に”びっくり”したようなことは言ったから、学びに繋がるような話が聞けたんだけどね。 |
キャリ父 | おーーそれはすばらしい!非常にいいアクションだよね。 |
宏 | だから・・言ったから、学びにつながった・・ということは担当者も日報を読んでいてわかるんじゃないかな。 |
キャリ父 | なるほど、確かにそうかもしれないが、事柄の記録だけではなく感情の記録もしておく、ということなんだよ。事柄の記録なんて考えてみれば、担当者が体験してもらう事柄を用意してるんだから、必要ないくらいだと思わないか? |
宏 | そうかもしれない・ |
キャリ父 | それに、体験前に感じていたことは、体験後は自分が成長して変化しているから忘れてしまうってことはよくあるよね。だから、記録しておかないと、自分自身の変化すら、言い換えれば、自分の成長に関して詳しく説明することが困難になるということだよね。 |
宏 | そうか。そういうことになるね |
キャリ父 | しかし、逆に感情情報が多すぎてもダメなんだけどね。知識としての体験を正確に把握しているかどうか非常に疑わしくなるから。まあ、ここでもバランスが大切ってことだね。 |
宏 | わかった。 |
キャリ父 | ところで、品質部は、顧客からのクレームに対処していて、クレームが来ないようにするのが大きな役割だよね、きっと。 |
宏 | そうだと思う。 |
キャリ父 | そうすると、品質部の仕事は、がんばればがんばるほどクレームが少なくなるんだから、品質部で働く人の人数はだんだん少なくていいようになるんじゃないかな?そしてやがては品質部そのものが必要なくなる。・・そう考えると、品質部で働く人は本当にがんばるだろうか?・・がんばればがんばるほど自分の仕事は少なくなるんだからね。 |
宏 | ・・うーん、確かにそうかも・・。 |
キャリ父 | 仕事はがんばりたいけど、がんばれば自分の仕事はなくなってくる・・矛盾だよね。・・だから、がんばろうという気持ちも薄れてくるんじゃないかな。 |
宏 | 確かにそうかもしれないけど・・だけどそれって”工夫・改善や改革?”ってことじゃないかな。・・そうすると、首にはならないって父さん昨日言ってたよね。 |
キャリ父 | おっ、いいねえ!よく覚えてるね。・・その首にならないっていう人材は改革を推し進めてきた人たちのことなんだ。全員のことじゃないんだ。それに、自分の仕事を無くすだけではなくて、次に自分たちがすべき会社にとって必要な仕事もしっかり考えておくことが大事なんだよ。 |
宏 | ふーん。なんかややこしそうな話だなあ。 |
キャリ父 | そうかもしれない。宏が働き出したらまた詳しく話す機会もきっとでてくるだろね。だから今は、自分のキャリアアップをうまく進める手段の一つだと理解しておいて欲しいな。・・それでさっきの矛盾の話にもどるけど、この矛盾について担当者の人か会社の人に質問して、どのように答えてくれるか教えて欲しいんだ。 |
宏 | 確かに矛盾だもんな。 |
キャリ父 | うん、それでその答えの内容によって、どのような人物かあるいは会社なのかわかってくるんだ。 |
宏 | どうのようなって? |
キャリ父 | その矛盾をプラスに感じているのか、マイナスに感じているのか、あるいは矛盾を感じていないのか、その内容によってある程度、その人や品質部の雰囲気や会社の品質部に対する考え方がわかるんだよ。 |
宏 | ??? |
キャリ父 | 例えば、担当者にこの矛盾の質問をして”そんな先の話なんか考えたって仕方ない。目に前の仕事をしなさい”って言われたら、宏だったらどう感じる? |
宏 | いやーそりゃ今の僕だったら、不安に思うね。この人と仕事を一緒にしていて、大丈夫かな、って思う。 |
キャリ父 | そうだろ?先のことを考えすぎても確かに動けなくなることはあるから、ここでもバランスは大切だけど、考えていない、あるいは、考えるな、では困るよね。これがその人だけならまだいいけど・・部門や会社全体だと・・ちょっと将来について不安になってくるよね。 |
宏 | 会社全体だと、めちゃくちゃ不安になってくるね。 |
キャリ父 | うん、そうだ。・・いま話し合ってるように、将来のことを踏まえて今後どうしていこうと考えているのか、このような質問は、これからの宏の就職活動の中の会社説明会などですごく役立つことなんだ。 |
宏 | どのような会社なのかわかるためにっていうこと? |
キャリ父 | そうそう。会社説明会では自分の企業の悪口は言わないよね、ふつう。 |
宏 | そうなんだ・・。 |
キャリ父 | 良い点はいっぱい話してくれるけどね。だからこちらからさっきのような質問をするわけ。通常、会社説明会の説明に来てる社員は優秀な人が担当しているはずだから、その人が、まあありえないけど、さっきのような答えをしたとしたら・・問題ありの会社と考えてもいいと思う。 |
宏 | そいういうことか・・。 |
キャリ父 | もちろん宏も質問するんだったらその会社のことについて勉強はある程度しておく必要がある。だってその答えがさっきのように判断しやすいものだったらいいいけど、判断が微妙な場合が多いだろうからね。 |
宏 | うーん、これもややこしそうだなあ。 |
キャリ父 | ガハハ・・そうかもね。・・まあその時が近づいてきたらまた詳しく説明するよ。だから今は矛盾について質問したらどのような答えが返ってくるのか”体験”としてやってみて。 |
宏 | できるかわからないけど・・わかった。 |
キャリ父 | オーケー。よろしく。 |
キャリ父 | どうそっちの様子は? |
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宏 | いまさっきホテルに帰ってきたところなんだ。品質部の一番年とった部長さんが飲みに誘ってくれたんだ。 |
キャリ父 | おーーそりゃよかったね。・・だけど場所が場所だけにみんな車通勤だろ? |
宏 | うん、今日は車は家においてきたんだって。 |
キャリ父 | そりゃ本当にありがたいね。 |
宏 | うん、それで、僕の自己紹介のときの話を覚えていてくれて、どのようなピンチをどのように乗り越えてきたのか話してくれたんだ。 |
キャリ父 | 実にすばらしい人だな、その部長。 |
宏 | うん、この人は前に大手の家電メーカーにいて定年退職後ZZZ工業に来たんだって。・・それで、いろいろ話してくれたんだけど、もっと詳しく知っている人との面談機会を来週火曜日に作ってくれるって。 |
キャリ父 | おーーものすごくラッキーじゃないか。すばらしい!・・なっ自己紹介の時、話しておいて良かっただろ? |
宏 | うん、そう思った。・・それと今日は、来週のインターンシップ最終日の発表のことで担当者から話があったよ。 |
キャリ父 | ふーんそれで? |
宏 | 前年の人のプレゼン資料を渡されて”こういう感じ”だって言われた。 |
キャリ父 | そこには何が書いてあった? |
宏 | ほとんど体験内容だったね、最後のスライド1枚分が”学び”だったと思う。 |
キャリ父 | うっ?・・いまなに言った?! |
宏 | えっ?”体験内容と学びだけ”って、言ったけど・・。 |
キャリ父 | なにー?・・・・・(゜_゜)目が点だぜー・・宏!・・。 |
いったいキャリコン父さんはなぜ(゜_゜)目が点になってしまったのか?
第5話に続く・・・・・
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